夜間開館の「ルーヴル美術館(Musée du Louvre)」で修復後の「サモトラケのニケ」を鑑賞 - パリ旅行
「ルーヴル美術館(Musée du Louvre)」は 、1793年に開館した国立美術館。
世界最大級のコレクション数があります。
2014〜2015年年越しヨーロッパ旅行(18泊21日+おまけ)シリーズ
今回は「ルーヴル美術館(Musée du Louvre)」です。
今回は、2つの橋から行ってみました。
1.カルーゼル橋からルーブルへ
1939年に鉄製から石造りに変更された飾りの無い質素な橋。
なだらかな3つのアーチでできています。
その先にあるルーヴル美術館「ドゥノン翼(Aile Denon)」の建物が華やかなので、ちょうど良いのかもしれません。
ここをくぐると
右にピラミッド、左に「カルーゼル凱旋門(arc de triomphe du Carrousel)」があります。
2.ポンヌフからルーブルへ
パリに現存する最古の橋。
修復工事後なので真新しく感じる部分もあります。。
セーヌ川沿いの露天商。
パリの風景って感じです。
ルーブル宮東側正面の向かいにある教会です。
塔より左側は「パリ第一区役所」ですが、合わせて素敵な佇まいです。
フランスのカトリックがプロテスタントを大量虐殺した
1572年8月24日、聖バルテルミーの虐殺(Saint-Barthélemy)は
この教会の鐘の音が合図として使用されたようです。
サンジェルマン・ロクセロワ教会(Église Saint-Germain-l'Auxerrois de Paris)
Web:http://www.saintgermainauxerrois.fr/
Web:http://www.saintgermainauxerrois.fr/
ルーブル宮東側正面(Colonnade de Perrault)
建設前、ここを威厳に満ちた宮殿正面にするために
イタリアのベルニーニにも設計を依頼したとか。。
結局はクロード・ペローとル・ヴォーによる設計で完成。
ルーブル宮東側正面(Colonnade de Perrault)
しかしながら、完成後数年で王宮はヴェルサイユへ移転(1678年)。
建築家ジャック・ルメルシエによるシュリー翼(時計館) です。
最上階には力強いカリアティード(女像柱)があり
美術館で現存するもっとも古い部分です。
奥にピラミッドが見えてきました。
ルーヴル・ピラミッド(Pyramide du Louvre)
当初、本日入館の予定はなかったのですが
ミュージアムパス用の入り口に行列なし。。。
入り口に近づくと、何とまあ、あっさり入場できました。
1989年に完成のピラミッドの中から。
本日は金曜日、夜間開館の日でした。
せっかくなので観たいものだけをピックアップして観ました。
調馬の間(Salle du Manège)
ナポレオン3世時代の建築。
こちらも彫刻やレリーフが沢山ありました。
ですが、その先に「ダリュの階段」が見えてきて
そちらに直行してしまいました。。
ダリュの階段(L'escalier Daru)
ここから「サモトラケのニケ」を見上げると、「ルーブル美術館」に来た実感が増して
ワクワクします。
サモトラケのニケ(Victoire de Samothrace)
紀元前190年頃の作品。
スポーツメーカー「ナイキ(Nike)」のロゴの「スウッシュ(Swoosh)」と社名の由来としても有名な「勝利の女神」ニーケー(Nike)の像。
風を受けて立つ、手と顔のない彫刻が神秘的です(右手は近くに展示されています)。
ナイキ・ワールド・キャンパス(Nike World Campus)
HAPPY TRAVELER: ナイキの本社「ナイキ・ワールド・キャンパス(Nike World Campus)」を訪問 − ポートランド旅行
1884年以来、ここが定位置のようです。
2014年7月に修復が完了し、かなり白くなりました。
また今回の修復により
女神像と船の間の「ブロック」もなくなり自然な感じになりました。
やはりあの「ブロック」は不要ですね。
カナの婚礼(Les Noces de Cana)
パオロ・ヴェロネーゼ(Paolo Veronese)1528〜1588
キリストの最初の奇跡の様子。
左端の新郎新婦よりも、中央手前の楽師たちが目立っています。
ナポレオンがイタリアより略奪し、ルーブル美術館で一番大きな作品です。
そしてこの後ろが。。
ドゥノン翼 2階
国家の間 展示室6
モナ・リザ(La Gioconda)
本当に、ここだけ人混みです。
ドゥノン翼 2階 国家の間 展示室6
スマホ撮影率高いです。
レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)1452〜1519年
他の絵と比較しても存在感があります。
グランド・ギャラリー(La Grande Galerie)
映画「ダ・ヴィンチ・コード」でお馴染みになった寄木細工の床。
皆さんお疲れの様子。
ナポレオンの戴冠式(Le Sacre de Napoléon)
ジャック=ルイ・ダヴィッド(Jacques-Louis David)作
ルーブル美術館で2番目に大きな作品。
作品の前を歩く人と、絵の中の人を比べても
巨大な絵であることがわかると思います。
本人よる複製の作品がヴェルサイユ宮殿の「戴冠の間」もあるようです。
この戴冠式(1804年12月2日)が行われたのが「パリのノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)」です。
もちろん実際の戴冠式の様子とは違う内容になっています。
作品右側の背を向けて立っている人達が、作品から飛び出した、「こちら側」の人達のような気がします。
パリのノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)
→訪問の様子は、こちら。
ミロのヴィーナス(Vénus de Milo)
紀元前100年のものと推定される、ギリシャ神話の愛と美の女神アプロディーテー像です。
1820年にミロス島(現代ギリシア語でミロ)で発見されました。
シュリー翼 1階 パルテノンの間 展示室7
右腕の脇あたりの脂肪が。。。親近感わきます。
横から見ると、髪型も凝っているのがわかります。
後ろにマゲをつける「古代ギリシャ」の髪型。
顔は鼻の長さ3つ分、額と鼻とが一直線です。
このような有名な作品が
間近で360度眺められるのは素晴らしいです。
そしてこれがローマンコピーでなく、古代ギリシア時代の彫刻そのものということも!!
イタリアの町ヴェレトリ(Velletri)で発見された巨像。
アテーナー(Athena)は、知恵、芸術、工芸、戦略を司るギリシア神話の女神。
クレシラス(Kresilas)作
※ブロンズ製肖像の複製品(ローマンコピー)
胸元の神盾(アイギス)には、ペルセウスに首を切られた「メドゥーサ(Medoūsa)」がいます。
タニスの「大スフィンクス」(Grand sphinx/trouvé à Tanis)
紀元前2600年頃に花崗岩で造られたスフィンクス像。
メルエンプタハ王のカルトゥーシュが胸に刻まれています。
写真がないのですが
尻尾をまいた後ろ姿は威厳ある正面と違って可愛らしいです。
※ルーブル美術館の公式アプリで観ることができるのでお勧めです。
ここから古代エジプト美術部門の入り口です。
スフィンクスの大きさと存在感に圧倒されます。
先程とは違って小さめのスフィンクスですが
6体(?)も勢揃いしています。
ここまでスフィンクスが登場すると贅沢ですが。。。
スフィンクスを見慣れてしまいます。
左)アメンヘテプ3世の巨像の頭部 前1550〜1069年頃
中央)アメンヘテプ3世の名を刻む巨像の足と台座 前1550〜1069年頃
右)ラムセス2世座像
文字としてはわかりませんが
彫刻として綺麗です。
前1550-前1069年頃
高さ1.80m、幅1.50m、奥行き3.05mと巨大です。
刻まれた文章には間違った箇所が沢山あるようです。
こんな貴重な物を作る際に間違えるなんて。。と思いつつも、親近感がわきます。。
シュリー翼 1階 展示室13
ルーブル美術館Webサイトのバーチャルツアーで観た風景と一緒!!
中央の細長いものは「Encensoir à bras」
腕の形をしています。
左の棺は、内部にも彫刻が施されているのがわかります。
プトレマイオス朝時代に生きていた男性のミイラ。
ウセク首飾(幅広の首飾り)の留め金はハヤブサとのことです。
顔を覆う布の巻き方が丁寧で見惚れてしまいますが
布に覆われた指が今にも動きそうで
一番気になりました。
ピラミッドの頂上部の石。
知り合いにいそうな顔立ちをしています。
両手を前に揃えている姿に
可愛らしさを感じます。
白色が印象的です。
紀元前510年頃、ダレイオス大王1世宮殿のアパダーナ(謁見の間)の屋根を支えていた36本の円柱のうちのひとつの柱頭です。
巨大さは人と比較するとわかりやすいです。
右奥の、「ダーレイオスの歩兵」はダーレイオス宮殿の城郭を装飾していたものらしく
左側のレンガと同様に青色が綺麗でした。
背中合わせに座っている2頭の牡牛は
丸みを帯びていて可愛い印象を持ちました。
こちらも丸みを帯びて、可愛らしくて、ついつい触りたくなります。。
前から見ると2本足ですが
横から見ると、4本(全部で5本)あり歩いているようです。
バビロニア王ハムラビ法典(Code de Hammurabi)
紀元前1792−1750年、メソポタミア文明の象徴であり
有名な「目には目を、歯には歯を」の判決文が刻まれている玄武岩の碑。
王が太陽神シャムシュから権限を受けている場面。
文書は楔形文字で書かれたアッカド語。
エティエンヌ=モーリス・ファルコネ(Étienne Maurice Falconet)作 1757年
ローマ神話の愛の神「クピド(Cupido)」が、恋の矢を撃つ前に静寂を要求している場面。
翻訳すると「脅迫愛」らしいのですが。。天使の目つきが印象的です。
ローマ神話の愛の神「クピド(Cupido)」が、軍神マルス(Mārs)からは武器、英雄ヘラクレス(Hēraklēs)からは棍棒を盗み棍棒で弓をつくっているところ。
エドム・ブーシャルドン(Edmé Bouchardon)作 1750年
リシュリュー翼 1階 展示室23
ルーヴル美術館(Musée du Louvre)
ここは彫刻が沢山過ぎて
全部は見きれません。。とても贅沢な空間です。
右)ジャン・ラシーヌ(Jean Racine) Louis Boizot作
17世紀のフランス古典主義を代表する悲劇作家。
左)チャールズローリン(Charles Rollin ) Félix Lecomte作
歴史・教育家
中央の彫刻は「クロトンのミロ」1670−1694
右側には「4体の捕虜、別称敗戦四ヶ国」
マルティン・ファン・デン・ボハルト 1682-1685年があります。
オーギュスタン・パジュ作 1774年。
この巫女さんに洋服を合成させた画像をみたことがあります。。
フランソワ=ジョゼフ・ボジオ(François Joseph Bosio)作 1817年
フランソワ=ジョゼフ・ボジオ(François Joseph Bosio)は、「カルーゼル凱旋門(arc de triomphe du Carrousel)」のクワドリガ(quadriga)を作成しています。
カルーゼル凱旋門(arc de triomphe du Carrousel)
→訪問の様子は、こちら。
ジャン=バティスト・ドフェルネ(Jean-Baptiste Defernex)作 1768年
フランソワ=ジョゼフ・ボジオ(François Joseph Bosio)作 1824年
フランソワ・リュード(Francois Rud)作 1845年
フランソワ・リュード(Francois Rud)は、エトワールの凱旋門(Arc de triomphe de l'Étoile)の彫刻「1792年の義勇兵の出陣(Le Depart, 1792.=La Marseillaise)」の彫刻で有名です。
エトワールの凱旋門(Arc de triomphe de l'Étoile)
→訪問の様子は、こちら。
ダビッド・ダンジェ(David d'Angers)作 1837年
紀元前222年、ギリシア人の戦略家フィロポイメンが戦闘中
太ももに貫通した投槍を自ら引き抜こうとしているところ。
投槍が貫通した太もも辺りが痛々しいですが
フィロポイメン気持ちはそれどころではなさそうです。
19:40頃のホール
本日は金曜日なので夜間開館中です。
思いつきで入館したルーブル美術館でしたが夜間開館の日だったので、観たいものが観られて、作品集も買うことができて満足でした。
しかし、、旅行中の買い物の殆どが写真集だったり、美術館の図録だったりで、荷物がどんどん重くなっていきます。。。
翌日は「オランジュリー美術館(Musée de l'Orangerie)」に向かいました。
【 Next 】オランジュリー美術館(Musée de l'Orangerie)に続く
HAPPY TRAVELER: 「オランジュリー美術館(Musée de l'Orangerie)」でモネの「睡蓮」連作を鑑賞 - パリ旅行
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2014年12月
ルーヴル美術館(Musée du Louvre)
Web: | http://www.louvre.fr/jp |
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