80年の時を経てリニューアル「林百貨店(Hayashi department store)」− 台湾縦断旅行
「林百貨店(Hayashi department store)」は、日本統治時代の台南に、1932年12月5日に開業した日本の百貨店でしたが、終戦とともに廃業、その後開業から81年の時を経た2013年に修復工事が完了し、2014年6月に文化や創意をテーマとしたお店、林百貨店(Hayashi department store)としてリニューアルオープンしました。
長年放置されていた建物がこんなに素敵に蘇るなんて!!って本当に驚きます。
グルメとアートを堪能!!年末・台湾縦断旅行シリーズ
今回は「林百貨店(Hayashi department store)」 です。
林百貨店(Hayashi department store)の外観
ライトアップされた「林百貨店(Hayashi department store)」は、本当に綺麗です。
建設当時、台南州地方技師兼台湾建築会台南州支部長だった梅沢捨次郎による設計。
表面は、スクラッチタイル(すだれレンガ)だそうです。
1932年12月5日が開業日だったので、84周年とクリスマスを祝う飾りが前面にあります。
日本人の実業家で出資者の林方一さんは、残念ながらオープン前に倒れ12月10日に亡くなられたそうです。
そして開業日から81年後の2013年1月上旬、林さんの子孫の方が初めて「林百貨店(Hayashi department store)」訪れたそうです。
林百貨店(Hayashi department store)の店内
現在の百貨店を想像して入ると、こじんまりとしていて驚きますが、置かれている商品、時代を感じさせる展示物などがあり、興味が湧きます。
こちらには蓄音機。
開業当時は、近代的なエレベーターでした
こちらが噂のエレベーター。
開業当時は、台南で最も早く近代的なエレベーターを取り入れた場所の一つだったとか、現在は6人乗りとなっており、止まる階は1階、4階、5階となっています。
せっかくなのでエレベーターに乗ってみました。
床のモザイクに注目です。
少し離れたところに、エレベーターのインジケーターが飾られています。
階段横には、エレベーター用の空気穴が開いています。
階段の床材も、懐かしい感じがします。
林百貨店(Hayashi department store)の正面にあたる窓。
そして床材、手前の床材は年季が入っているようです、創業当時のものでしょうか。。
こうやって残っているのをみると、本当に大切に改修されたのだと実感できます。
空爆の跡が残るレストラン階
見上げると、1945年3月1日の連合軍による空爆の跡が残っています。
5階は、開業当時もレストラン階だったそうですが、現在も2つの飲食店が入っています。
・大手焼き居酒屋
・cocorico(カフェ・レストラン)
疲れたので一休み、こちらも一人の最低消費額が設定されています。
店内には大きな階段が、当時は6階へ登るための階段だったとか。
ポスターなどを売っている、おみやげ屋「HAYASHI Shop」があります。
お土産屋を通りぬけると神社、そして橋の先にはエレベーターシャフトと機械室があります。
ドーリア式の石柱が美しい、台湾土地銀行
中央には、ギリシャの建物のようなでドーリア式の石柱が美しい、台湾土地銀行(1937年完成、旧日本勧業銀行台南支店)の建物が見えます。
実は、林百貨店(Hayashi department store)に入る前に、この銀行の回廊部分にいってみたのですが、時間的なものもあり暗いため、そそり立つドーリア式の石柱になんとなく怖さを感じてしまいました。
1933年に設置された屋上の神社「末広社」
1933年に設置された屋上の神社「末広社」は
台湾の商業建物に、現存する唯一のもの。
鳥居も一部壊れたままです。
エレベーターシャフトと機械室。
立ち入ることはできませんでしたが、創業当時は、運河や安平方面を眺めることができたそうです。
この後、台南の散歩に向かいました。
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2015年12月
林百貨店(Hayashi department store)
営業時間: | 11:00〜23:00 |
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Web: | http://www.hayashi.com.tw/ |