一歩足を踏み入れただけでタイムスリップ!アイリッシュパブ「マクソリーズ・オールド・エール・ハウス(McSorley's Old Ale House)」− ニューヨーク旅行
「マクソリーズ・オールド・エール・ハウス(McSorley's Old Ale House)」は、1854年創業、1920年の禁酒法(Prohibition)時代も乗り越えてきた、ニューヨークで一番古いパブと言われています。
2度目のニューヨークでブルワリーとワイナリー三昧!シリーズ
今回は「マクソリーズ・オールド・エール・ハウス(McSorley's Old Ale House)」 です。
前回のニューヨーク旅行の散歩途中に、偶然このお店の前を通り、ずっと気になっていました。
ここは現金しか使用できませんので、現金を忘れないように!
ここは現金しか使用できませんので、現金を忘れないように!
「マクソリーズ・オールド・エール・ハウス(McSorley's Old Ale House)」の外観
お店の横では、イーゼル(Easel)を立てて、お店の外観を描いている人がいました。
話しかけると、絵を描きながら、しっかりと販売もしていました。
外からみるとちょっと入りづらいような、、
雰囲気もありますが、大丈夫です。
「マクソリーズ・オールド・エール・ハウス(McSorley's Old Ale House)」の店内
一歩足を踏み入れると店内はタイムスリップしたような感覚!
店内は、手前右にカウンター、左にテーブル席
そして奥にもテーブル席がありますが、テーブル席はどこも満席です。
床には、おが屑が撒いてあります。
ホコリまみれの骨は「ウィッシュ・ボーン(WISH BONE)」
カウンターに行ってみました。
壁や棚に所狭しと置かれている写真や品々は、1910年以降取り外されたものがないそうで、その中でも印象深いのは、照明に照らされているホコリまみれの骨「ウィッシュ・ボーン(WISH BONE)」、鳥の鎖骨に当たるV字形の骨です。
第一次世界大戦中、出兵する兵士にこのパブが伝統的に「七面鳥とビール」をプレゼントし、兵士が「幸運と無事の帰還」を願ってバーのレールに下げたものだそうです。
これには続きがあり、その後、幸運に帰還できた兵士はパブにやって来て、「ウィッシュ・ボーン(WISH BONE)」を取り外して、皆で帰還の祝を行ったそうです。
未だ取り外されていない、ホコリまみれの「ウィッシュ・ボーン(WISH BONE)」をみると、、ちょっと感慨深いですね。
ビールは2種類
カンターの前に立つと、店員さんが愛嬌よく「うちはビールが2種類しかないけど、どちらにする?」と聞かれ、「ライト(Ale)とダーク(Porter)」ひとつずつ注文しました。
自家製のビールだそうです。
それほど大きくはないジョッキに、泡たっぷり、カウンター横でタップからジョッキに豪快に注がれるので、タップ横の木製のカウンターはいつもビールで濡れていました。
1杯注文すると、2つのジョッキに入ったもので提供されます。
ので、上の写真はおそらく3杯分。
ここは支払いには現金のみが利用できます。
店内にはレジがないため、注文の際に支払われた紙幣と、立ち去る前にお客さんがチップとして置いた紙幣、それぞれがカウンターに置かれ、カウンターでは店員さんがお札を集めて束にしている姿を何度も目にしました。
左にある大きな木の棚のようなものは「氷で冷やす冷蔵庫」
この中には現在はソーダーが入っているそうです。
画家「ジョン・スローン(John Sloan)」がパブの様子を描いた作品「McSorley's Bar, 1912」にも、この冷蔵庫が見切れていますが、描かれています。
1912年から1930年の間に、スローンはこのパブの様子を5枚描いています。
そこには禁酒法時代だったにも関わらず、ジョッキ片手に楽しむ人々が描かれたものもありますが、お店のWebサイトによると、当時は合法であったアルコール分0.5%未満の「ニア・ビール(Near Beer)」というものを販売していたそうです。
「冷蔵庫」の上にあるのはこのパブのモットー「Be Good or Be Gone」です。
歴史あるこのパブには、リンカーンやジョン・レノン(John Lennon)などが来ていたようで、色々な写真が飾ってあり歴史を感じますが、
1970年に最高裁判所の判決がでるまで、女性は入店できなかったそうです。
こちらのバーテンダーの父と作家である息子の話を描いた本「Two and Two: McSorley's, My Dad, and Me」もしっかり置いてあります。
そして先程の「氷で冷やす冷蔵庫」の左側にある火災警報器のゴングは、当初お客さんが騒がしくなると初代店主が鳴らしていたそうです。
カウンター奥の壁もお宝ばかりのようです。
中央上は、1865年4月14日に起こったリンカーン大統領の暗殺者の指名手配のオリジナルポスター。
右側の写真は、1948年6月13日にベーブ・ルースが引退した時に様子を常連客である「ナサニエル・ファイン(Nathaniel Fein)」が撮影し、寄贈されたもの。
1949年のピューリッツァー賞を受賞した「ベーブ・ルースの引退(The Babe Bows Out)」のようです。
現在、右下にあるオリジナルのタップは使用されていません。
店内奥にある、お店正面とは別の出口は、禁酒法時代に入り口として使用されていたとか、
ドアの横には、ゴールド・ディスクがあります、これは3枚目となるゴールド・ディスクを獲得したアルバム「ラヴ・スティンクス( Love Stinks)」のもので、「J・ガイルズ(J. GEILS)」から寄贈されたそうです。
中央ドア(男性用トイレ)の右側には、雑誌「ニューヨーカー」の記者であった「ジョゼフ・ミッチェル(Joseph Mitchell)」の著書「マクソーリーの素敵な酒場(McSorley’s Wonderful Saloon)」。
作品は、このパブの描写から始まるそうです。
この★が48個のアメリカの国旗も気になるのです(この後アラスカ州とハワイ州が入って50に)が、、、
その右のニューヨーク・タイムズの新聞「Titanic Sinks Four Hours After Hitting Iceberg」ってタイタニック号の沈没を知らせる記事ですね!
ドアは、もともとあの形ではなく、年月とともに擦り切れたようです。
外の光が差し込むあのドアを抜けると、あっという間に現代に戻れます。
この後、濃厚で美味しいアイスクリームのお店「ヴァン・ルーウェン・アイス・クリーム(Van Leeuwen Ice Cream)」に行ってみました。
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「ヴァン・ルーウェン・アイス・クリーム(Van Leeuwen Ice Cream)」
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2019年5月
マクソリーズ・オールド・エール・ハウス(McSorley's Old Ale House)
Web: | https://mcsorleysoldalehouse.nyc/ |
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